✩.*˚福井のお同行様の紹介のお歌✩.*˚三好達治

我が名をよびて

どうか我が名を呼んでおくれ

(怒ったら怒ったまんま シッカリしないならしないまんま 駄目だというなら駄目なまんま

どうかそのままで良いから、我が名を呼んでおくれ。私の心はどうでも変わるから、変わるものをあてにしないで、どうか我が名をよんでおくれ、こうなりたい、ああなりたい、これが良い、これが悪い、そうかそうか、そのまんま 我が名を呼んでおくれ)

 

なもあみだぶつ これを言えないから、どうしても言えないから、言ったら負けだと思うから、正しいのは自分だと思うから、どうしても どうしても 我が心をたのむ 我が心をたのむ、

我が心をたのむ、どうしても どうしても どうしても 我が心をたのむ 

なもあみだぶつ と言えない 

生と死 の枠組が変わるのだから それはそれは、なもあみだぶつ と言えない

だけど 我が名を呼んでおくれ どうかそのままで良いから我が名を呼んでおくれ

我が国に生まれんと欲ひて

今生きていると思う人に、生まれんと思えとはどういう事か

そのまま とは どういう事か 何もせんこっちゃというのか

どうか我が名を呼んでおくれ

どうか我が名を呼んでおくれ

 

 

三好達治「わが名をよびて」

わが名をよびて
わが名をよびてたまはれ
いとけなき日のよび名もてわが名をよびてたまはれ
あはれいまひとたびわがいとけなき日の名をよびてたまはれ
風のふく日のとほくよりわが名をよびてたまはれ
庭のかたへに茶の花のさきのこる日の
ちらちらと雪のふる日のとほくよりわが名をよびてたまはれ
よびてたまはれ
わが名をよびてたまはれ

なんまんだぶ なんまんだぶ なんまんだぶ